◎和 名 オオイタドリ (タデ科)
◎学 名 Reynoutria sachalinensis (Fr. Schm.) Nakai (Polygonaceae)
◎撮影場所・年月日 盛岡市松園 自生 1992,7,19.
◎開花時期・開花期間
◎山野に自生する大型の多年草。北海道・本州中部以北に多く,千島,樺太,朝鮮(鬱陵島)にも分布する。ヨーロッパへは1840年代中期にシーボルトによって導入された。欧米では大形の若葉を鑑賞するために庭先に植えられたが,逸出して人家周辺,道端,鉄道沿線,川岸などに群生する帰化植物となっている。
◎本種は山菜としても利用される。雪の消えた早春,頭をもたげてくる若い茎は,ゆでて酢のものやあえものに,また天ぷらにして食する。太平洋戦争中,タバコの代用品として本種の若葉を乾燥させて使用したが,評判は良くなかったとか。
◎イタドリ属 Reynoutria Houtt. は東アジアに約4種,日本に2種ある。園芸的には鑑賞価値がひくい。以前には,オオイタドリ,イタドリ R. japonica Houtt. をミチヤナギ属 Polygonum L. に含めていた。
◎和名オオイタドリは大イタドリの意。近縁種のイタドリの和名は「痛みをとる草」の意味からつけられたとの説があるが,痛み取りの薬効は兎も角として,薬用としての効用があった。漢方薬の虎杖根はイタドリ(虎杖)の根を用いて製造したもので,利尿剤,通経剤,それに健胃剤として広く利用されてきた。