◎和 名  クリ  (ブナ科)

◎学 名  Castanea crenata Sieb. et Zucc. (Fagaceae)

◎撮影場所・年月日  盛岡市松園  植栽  1992,7,11.

◎開花時期・開花期間

◎本種は山野にごくふつうに見られる落葉高木。北海道(石狩・日高以南)・本州・四国・九州の温帯から暖帯にわたって広く分布し,朝鮮半島中南部にも産する。堅果の大きさにはかなりの変化があり,シバグリ(芝栗,柴栗)は小さい野生品で,栽培グリの基本種である。栽培されるのは特に堅果の大きい株で,タンバグリ(丹波栗)は古くからの栽培品種である。

◎クリ属 Castanea L. は北半球の温帯と暖帯に10種ある。本属の数種の果実は重要な食料で,野生種をそのまま栽培するほか,改良品種が多数作出されている。また,材は強靱かつ加工しやすいので多くの用途に用いられ,古代から人間との関わりが深い。耐水性に優れており,洋の東西を問わず鉄道の枕木に多用された。我が国では家屋の土台や浴室の板,船材など水湿の多い場所に用いられた。また,シイタケ栽培のほだ木としての利用もあり,樹皮のタンニンは染め物,なめし革用とされる。日本には1種が自生する。