◎和 名  ヤマユリ  (ユリ科)   

◎学 名  Lilium auratum Lindl. (Liliaceae)

◎撮影場所・年月日  盛岡市 高松公園  植栽  1995,7,26.

◎開花時期・開花期間

◎山地,丘陵の林縁にはえる多年草。本州近畿以北に分布する日本特産種である。強い芳香と大きな花が好まれて,庭にもよく作られるが,自然分布は以外に狭い。東北〜近畿には普通であるが,北海道・北陸・中国地方・四国・九州にはなく,あれば野生化したものである。

◎鱗茎は大きく黄白色の扁球形で,古くから食用にした。庭に栽培すると数年で消滅することが多いが,鱗茎のネズミによる食害が原因の一つになっている。

◎自生品から見いだされた花色の変異品や,海外で育成された園芸品種などもあり,園芸植物としも注目されている。

◎ユリ属 Lilium L. は北半球の亜熱帯から亜寒帯に約96種が分布するが,研究者によって属の範囲,種数のとらえ方に差がある。北アメリカに約25種,ヨーロッパに約12種,アジアに約59種あり,そのうち日本には約15種がある。半数は日本特産種で,しかも観賞価値の高いものが多い。

◎ユリの観賞の歴史は古く,日本では「古事記」,「日本書紀」以来文学や美術に登場し,ヨーロッパではすでに紀元前から栽培されてきた歴史がある。しかし,品種改良の歴史はほかの球根花卉類に比べてきわめて浅く,欧米では日本や中国のユリが,19世紀末から20世紀初頭に導入されるにおよんで,はじめて盛んになった。1940年代以降に特に顕著になり,2000を上回る園芸品種がこれまでに育成されてきた。今日では日本のほか,欧米,ニュージーランド,オーストラリアなどで,栽培が盛んである。

◎和名ヤマユリは山百合の意である。