◎和 名  ヒナゲシグビジンソウ  (ケシ科)

◎学 名  Papaver rhoeas L. (Papaveraceae)

◎撮影場所・年月日  盛岡市上田  植栽  1992,6,26.

◎開花時期・開花期間

◎ヨーロッパ中部の原産で,花壇などの観賞用に広く利用される一年草。全草にロエアジン(rhoeadin) というアルカロイドを含む。ヨーロッパでは古く煎剤としてうがい薬に用い,また砂糖を加えてシロップをつくり鎮咳剤に用いた。本種にはモルヒネは含まれない。

◎日本では江戸時代の「花壇地錦抄」(1695) に培養法が述べられている。 色彩の変化に富み,また八重咲きもあり,多くの園芸品種がある。

◎ケシ属 Papaver L. は,約100種,主として北半球に自生し,南半球にはただ1種あるのみ。ケシ P. somniferum L. は地中海原産で,その若い果実の汁液を乾燥して阿片,さらにこれからモルヒネ,コデインなどを精製する。種子は菓子の装飾などにする。

◎和名ヒナゲシは「雛げし」の意で,その可愛らしい花の様子に基づいている。漢名は虞美人草,麗春花である。