◎和 名  ツリフネソウ  (ツリフネソウ科)   

◎学 名  Impatiens textori Miq. (Balsaminaceae)

◎撮影場所・年月日  盛岡市松園  自生  1992,9,12.

◎開花時期・開花期間

◎山麓や水辺にはえる一年草。正常花が咲く前に閉鎖花をつけることが多い。北海道・本州・四国・九州,東アジア,シベリア,北アメリカ,ヨーロッパに分布する。種小名はイギリスの採集家 Textor を記念したものである。

◎ツリフネソウ属 Impatiens L. は,温帯には種数が少なく,亜寒帯,寒帯にはない。アジアやアフリカの亜熱帯から熱帯には多く500種を越える。しかし,園芸植物として改良された種や観賞用として植えられる野生種は僅かである。日本に自生するのは3種のみ,ほかに園芸植物としてはホウセンカ I. balsamina L. ,アフリカホウセンカ I. walleriana Hook. fil. ex D. Oliver が栽培されていて,多くの園芸品種がある。

◎和名ツリフネソウは釣船草の意で,花の形が帆掛け船をつり下げたように見えることに由来する。また属名はラテン語 impatiens (我慢できない,耐えられないの意)で,成熟した果実に触れるとすぐ裂開し,勢いよく種子をまき散らす性質からつけられた。

◎ホウセンカは吸水の観察に優れた理科教材である。赤インキを切り口につけて水にさしておくと間もなく導管が染まって,維管束が茎から葉や花に通じているのを観察できる。また晴れた日の早朝には,吸水した余分な水が葉縁に水滴となって並んでいるのが観察できる。