◎和 名  シュウメイギクキブネギク  (キンポウゲ科)    

◎学 名  Anemone hupehensis Lemoire var. japonica (Thunb.) Bowels et Stearn (Ranunculaceae)

◎撮影場所・年月日  盛岡市松園  植栽  1992,10,27.

◎開花時期・開花期間

◎庭などに植えられるが,人里近くではしばしば野生化し,また林縁などにも見られる多年草。本州・四国・九州,中国に分布しているが,日本産のは自生ではなく,おそらく古く中国から渡来したものが野生化したとする説が有力である。基本種 A. hupehensis Lemoir は中国に自生する。

◎今日栽培されている園芸品種は雑種起源で,1844年に採集家 R. Fortune (1812-1880) によって中国の上海からイギリスに送られたのが,A. vitifolia Buch.-Ham. ex DC. と交配されて,その後多くの園芸品種に改良された。日本では紅色八重咲き,白一重咲きが良く栽培されている。庭に植えるのにもよく,切り花にも向いている。

◎イチリンソウ属 Anemone L. は主として北半球の温帯から亜寒帯にかけて約150種が分布し,一部南アメリカおよび南アフリカにも分布がみられる。日本には12種が分布,そのほとんどが小形の多年草である。通常「アネモネ」とよばれ,秋植え球根として切り花,花壇,鉢物に広く栽培されているのは,地中海沿岸地方原産の A. coronaria L. で,その多様な園芸品種は,A. coronaria A. ×fulgens Gayer , A. hortensis L. , A. pavonina Lam. などとの間にできた自然交雑個体から選抜育成されたものである。

◎和名シュウメイギクは秋明菊で,秋に開花してさわやかにみえるという意味であり,キブネギクは京都市北部近郊の貴船に多くみられることによるという。