◎和 名  ニシキハギビッチュウヤマハギ  (マメ科)    

◎学 名  Lespedeza japonica Bailey var. japonica f. angustifolia (Nakai) Murata (Leguminosae)

◎撮影場所・年月日  盛岡市松園  植栽  1992,9,20.

◎開花時期・開花期間

◎日当たりのよい山地にふつうにみられ,公園や庭でもよく栽培される半低木。本州中部以西・四国・九州,朝鮮半島,中国に分布する。別名ビッチュウヤマハギともいい,関西ではもっともふつうのハギだが,ミヤギノハギやヤマハギとの区別が難しく,今後の検討が必要である。よく栽培されている白花品種をシロハギ(シロバナハギ)f. japonica (写真右)という。

◎ハギ属 Lespedeza Michx. は東アジアからヒマラヤ,北アメリカに分布し,約60種があり,日本には約12種自生するとされている。ハギ属の範囲については諸説がある。もっとも広く範囲をとる定義では,本来のハギ属とヤハズソウ属 Kummerowia Schindl. とハナハギ属 Campylotropis Bunge をまとめて1属とするが,もっとも狭い範囲をとる定義では,それぞれを別属としてわけている。

◎我が国では古来萩が非常に愛好されているが,いわゆる萩とよばれているのは,ヤマハギ亜属の種類の総称である。一方,中国ではハギは野生しているものの,古代から詩歌や文にもあまり取り入れられず,美術工芸,絵画にもほとんどみられないという。日本と中国では好みの違うところが面白い。

◎ハギは万葉の時代には「芽」「芽子」「波疑」「波義」の字が当てられており,今日の萩の字が最初に現れるのは平安時代になってからである。この字意は春の花の代表であるツバキに「椿」を当てたように,秋の花の代表のハギに「萩」の字を当てた国訓で中国の字意ではない。

◎和名ニシキハギ,ビッチュウヤマハギはそれぞれ錦萩,備中山萩で,花の美しさ,地名をとったものである。