◎和 名  ニラ  (ユリ科)   

◎学 名  Allium tuberosum Rottl. ex K. Spreng. (Liliaceae)

◎撮影場所・年月  盛岡市松園  自生  1992,9,12.

◎開花時期・開花期間

◎畑に栽培する多年生草本で,パキスタン,インド,東南アジア,中国,日本に分布するといわれる。日本産のものは真の自生であるとも,弥生時代に渡来した栽培種が野生化したものともいわれるが,恐らく後者であろう。中国では古くから利用され,「詩経」にはすでに記載がある。我が国でも「古事記」に加美良(かみら),「万葉集」に久久美良(くくみら)と記されており,古くから蔬菜の重要な位置を占めてきた。アジア以外では,中国系住民を除き利用はほとんどない。

◎ネギ属 Allium L. は中央アジアを中心に北半球に約300種があり,日本には約10種が自生する。本属には昔から食用や香辛料として栽培されるものが多く,タマネギ A. cepa L. ,ネギ A. fistulosum L. ,ワケギ A. fistulosum L. var. caespitosum Makino ,リーキ A. porrum L. ,ニンニク A. sativum L. ,ラッキョウ A. chinense G. Don ,などがあって,栽培品種の数も多い。

◎和名ニラは古くミラ(美良)の転じたものといわれている。しかしミラ(美良)の意味は不明である。