◎和 名  ミヤギノハギ  (マメ科)     

◎学 名  Lespedeza thunbergii (DC.) Nakai (Leguminosae) 

◎撮影場所・年月日  盛岡市松園  植栽  1996,9,23.

◎開花時期・開花期間

◎公園や庭園などに広く栽培されている落葉半低木,毎年土際から一年生の枝を多数だす。高さはほぼ2メートルに達する。ケハギ L. thunbergii (DC.) Nakai f. macrantha (Honda) Murata emend. Ohashi から園芸化されたものという。観賞用のハギとして代表的なものである。種小名はスウェーデンの植物学者ツンベリー(C. P. Thunberg, 1743-1828)の名にちなむ。

◎ハギ属 Lespedeza Michx. は東アジアからヒマラヤ,北アメリカに分布し,約60種があり,日本には約12種自生するとされている。ハギ属の範囲については諸説がある。もっとも広く範囲をとる定義では,本来のハギ属とヤハズソウ属 Kummerowia Schindl. とハナハギ属 Campylotropis Bunge をまとめて1属とするが,もっとも狭い範囲をとる定義では,それぞれを別属としてわけている。

◎我が国では古来萩が非常に愛好されているが,いわゆる萩とよばれているのは,ヤマハギ亜属の種類の総称である。一方,中国ではハギは野生しているものの,古代から詩歌や文にもあまり取り入れられず,美術工芸,絵画にもほとんどみられないという。日本と中国では好みの違うところが面白い。

◎ハギは万葉の時代には「芽」「芽子」「波疑」「波義」の字が当てられており,今日の萩の字が最初に現れるのは平安時代になってからである。この字意は春の花の代表であるツバキに「椿」を当てたように,秋の花の代表のハギに「萩」の字を当てた国訓で中国の字意ではない。